黒スーツの歴史と現在
今より少し前の時代には、就職活動の面接に着ていくのにブラックスーツは相応しくない服装とされていました。
黒は喪服の色であり、連想されるイメージがよくないためです。
事実、日々勤労に励んでいるサラリーマンを見ればわかる通り意識的にも無意識にも黒という色は避けられ、日常生活の中でブラックスーツを着ている人もほとんどいません。
しかし現在の日本において、ブラックスーツは就活生の基本のコスチュームになりました。
それは実際の所避けるべきとされた黒の礼服ではなく、量販店で手頃な価格で購入できるリクルート用の品なのですが、いずれにしても社会では見られない服であることに変わりありません。
そこに就活生の初々しさが見えて逆に良いという声が、流行のきっかけを作ったという説があります。
今やマジョリティは黒にあり、空気を読み流れに乗り、組織の歯車となる才能が求められる業界では、最も印象が良いのは黒であると常識は変化しました。
今この瞬間に面接に挑むなら濃紺やグレーというかつての常識にこだわるより、黒を選んでおいた方が無難であることは間違いありません。